一口に鍵といってもその種類は実に多いです。
そして、紛失と言う言葉には鍵を落としたとか、置き忘れたとか、置き場所が分からなくなった他、いろいろな意味合いがあるかと思います。
私の体験をふまえて鍵について色々と紹介していこうと、そうした場合の対策について記してみました。
私は東京で生活をして東京の会社で頑張っています。
週末の深夜でした。
マンションは3階建てで、私たちは2階の一室を使っていました。
子供たちも寝て、私たちもそろそろ休もうかと灯りを消した頃です。
突然、ドアをたたく音がします。
またかと思いました。
それは一つ上の3階に住んでおられるご主人の声です。
仕方なくドアを開けてみると、人が寝静まった夜中に「懐中電灯を貸してくれ」とアルコール臭い息で仰ったのです。
その方は恐妻家でした。
外見は、如何にも亭主関白に見えますが、主導権は奥様にありました。
飲んで帰った場合には、そのお宅では玄関の鍵をかけてありますので、自分で入ってくださいというのが、決まりだったようです。
しかし、寝ている妻を叩き起す恐怖と、他人の家庭のドアを深夜にたたく非常識さの狭間の中で、その方はこれまでにも我が家だけとは限りませんが、後者を選択されました。
仕方なく、妻には私が出るからいいよと言って、彼に懐中電灯を渡し「返すのは明日以降でいいですからね。お休みなさい」と言ってドアを閉めました。
さて、翌日の帰宅した時の妻の話が傑作です。
家人を起こしづらかったのか、騒動に気付かれたのかして、結局は紛失したらしい鍵が見つかる前に奥様がドアを開けて寝かしつけたようです。
翌朝、その方の奥様が謝りに参られました。
そのお宅の奥さんも気丈な人でしたが、我が家に限らず、ご主人がご近所に掛けている迷惑の数々を知っておられるだけの分別のある方でした。
今になって思うと、鍵の紛失だけのことです。
そうした場合の対策は簡単です。
当時の自宅等では、自宅の管理人さんのところにはマスター鍵がありました。
常駐している管理人さんの所に行き、マスター鍵で開けてもらえば済むことでした。
以下余談ですが、当時の自宅だけではなく、アパートホテルなどにもマスター鍵と言うものがあり、管理している人なら誰でも開けることができました。
逆に言うならば、それだけ、こうした出来事が多かった時代ではなかったかと、今になってみると思い出します。
鍵を紛失した一つの例と対策
